「今日、○○依存症」という言葉を耳にする機会が増えている。
依存というものは、自分では気づかないうちに生活の中へ入り込み、ときには時間や集中力、心の余裕まで奪ってしまうことがある。
そんな依存の中でも、私たちを楽しませているようで、気づかないうちに苦しめているかもしれないものがある。
そう、SNSへの依存だ。
暇があればSNSを開き、通知が来ていないか確認する。見るつもりはなかったのに、気づけば何十分、何時間と画面を眺めている。そんな経験がある人も多いのではないだろうか。
今回は、そんなSNS依存について、「なぜSNSをやめられなくなるのか」「私たちの生活にどのような影響を与えるのか」「どう付き合っていけばいいのか」という視点から考えてみようと思う。

SNS依存症とは?
SNS依存とは、X、Instagram、TikTokなどのSNSを長時間利用し、「やめようと思ってもやめられない」「何度も確認してしまう」といった状態になり、日常生活にまで影響が出てしまうことを指す言葉です。
例えば、寝る前に少しだけSNSを見るつもりだったのに、気づけば何時間も経っていた。勉強や仕事をしなければならないのに、無意識にスマートフォンを手に取りSNSを開いてしまう。投稿への「いいね」やコメントが気になって、何度も確認してしまう。
こうした経験は、多くの人にあるのではないでしょうか。
ただし、SNSを長時間利用しているからといって、それだけで「依存症」と決めつけることはできません。
重要なのは、自分で利用時間をコントロールすることが難しくなり、睡眠や勉強、仕事、人間関係などに悪影響が出ているかどうかです。
SNSは、人とつながったり、新しい情報を知ったり、自分の考えや作品を発信したりできる便利なものです。SNSそのものが悪いわけではありません。
問題なのは、SNSを「自分が使っている」のではなく、いつの間にか**「SNSに自分の時間や行動を支配されている」ような状態になってしまうこと**なのかもしれません。
なぜSNSはやめられなくなるのか?
では、なぜ私たちはSNSを「やめよう」と思っても、ついつい開いてしまうのでしょうか。
僕がまず重要だと思うのは、SNSそのものに人間が利用を続けたくなるような仕組みが数多く取り入れられていることです。
例えば、「いいね」やコメント、通知、おすすめ動画、無限に続くタイムラインなどがあります。
投稿して「いいね」がついたり、自分の興味を引く動画を見つけたりすると、「また何か面白いものがあるかもしれない」「次はもっと反応がもらえるかもしれない」と、もう一度SNSを確認したくなります。
ここに関係していると考えられているのが、脳内のドーパミンです。
ドーパミンは単なる「快楽物質」というより、報酬への期待や意欲、学習などに関係する神経伝達物質です。
そして重要なのは、こうした脳の仕組みはSNSだけに存在するものではないということです。
ゲームやギャンブル、買い物、食事など、私たちが「もう一度やりたい」と感じるさまざまな行動に、脳の報酬系は関係しています。
SNSの場合は、それがスマートフォン一つで、いつでもどこでも利用できる。そして次にどんな投稿や反応が現れるのか分からない。
こうした要素が組み合わさることで、「あと少しだけ」のつもりが、なかなかやめられなくなってしまうのではないでしょうか。

SNSへの依存がもたらす問題
SNSへの依存がもたらす問題は、単に「時間を使いすぎてしまう」ということだけではない。
僕がSNS依存について調べたり、本を読んだりする中で特に気になったのが、SNSが人の自己評価や将来に対する考え方にまで影響を与える可能性があることだ。
SNSを開けば、容姿の整った人、楽しそうな生活を送っている人、仕事で成功している人、お金を稼いでいる人など、さまざまな人の姿が流れてくる。
そうした投稿を毎日のように見続けることで、他人と自分を比較し、
「自分はかわいくない」
「自分の人生は充実していない」
「自分にはこんなことはできない」
などと考えてしまうこともある。
特に容姿については、SNS上の理想化された写真や動画との比較が、若者のボディイメージや自己評価に影響することが研究でも指摘されている。

また僕は、情報を得すぎることも、ときには人の可能性を狭めてしまうのではないかと思う。
何かに挑戦しようとしても、SNSで「そんな仕事では食べていけない」「成功するのは一部だけ」「やめておいた方がいい」といった情報を大量に目にすれば、まだ挑戦すらしていないのに諦めてしまうこともあるかもしれない。
そして、もう一つ無視できないのがデマや誤情報の拡散だ。
SNSでは誰でも簡単に情報を発信・共有できる。その便利さがある一方で、事実ではない情報まで急速に広がり、多くの人を混乱させてしまうことがある。
SNSは私たちに多くの情報や人とのつながりを与えてくれる。
しかし、その情報をどのように受け取り、どこまで信用し、そしてどのくらいの時間SNSと接するのか。
SNSを使う側にも、自分自身を守るための付き合い方が求められているのではないだろうか。
SNSと容姿への意識について
SNSと若者のボディイメージの関係については、SNSの利用時間を減らすことで、外見や体重に対する自己評価が改善したという研究もあります。

「※SNSを使えば必ず自己評価が下がる、という意味ではありません。」
SNS上のデマ・誤情報について
SNSでは、事実ではない情報や誤った情報が急速に拡散されることがあります。
「情報を目にしたときは、すぐに信じたり拡散したりせず、発信元や複数の情報源を確認することも大切です。」
政府広報オンラインでも、能登半島地震の際にSNS上で偽・誤情報が拡散し、救命・救助活動に支障が出るなどの悪影響があったことが紹介されています。また、2016年の熊本地震では「動物園からライオンが逃げた」という虚偽の投稿によって問い合わせが殺到し、投稿者が偽計業務妨害の容疑で逮捕された事例も紹介されています。
「SNSから少し離れて、新しいことに時間を使いたい方へ」
SNS依存への対策
SNS依存への対策として僕が大切だと思うのは、趣味を見つけたり、身近なことに楽しさを感じられるようにすることです。
SNSを完全に断つというのは、現代ではなかなか難しいと思います。友人との交流や情報収集、自分自身の発信など、SNSには便利な部分もたくさんあるからです。
だからこそ、「SNSを絶対に見ない」と我慢するのではなく、SNS以外に夢中になれる時間を増やすことが大切なのではないでしょうか。
スポーツをする、本を読む、ゲームをする、何かを作る、外へ出かける。あるいは家族や友人など、誰かと一緒に過ごす。
一日の中でこうした時間が増えていけば、自然とSNSを見る時間も少なくなっていくと思います。
僕はSNS依存を防ぐために必要なのは、SNSを自分の生活から完全に排除することではなく、「SNSを見ていない時間にも楽しさを感じられる生活を作ること」なのではないかと思います。
SNS依存についてさらに知りたい方へ
SNSやスマートフォンが私たちの脳や生活にどのような影響を与えるのか知りたい方には、関連書籍を読んでみるのもおすすめです。


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