大量殺人はなぜ起きるのか?犯罪心理学からその心理と背景を考える

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大量殺人。これは今、世界中で問題となっていることの一つだ。

世界のどこかで大量殺人事件が起き、その事件についての動画や記事がSNSやニュースを通じて私たちのもとへ流れてくる。

私たちがそれを目にしたとき、何を思うだろうか?

おそらく多くの人は、その大量殺人犯に対して憎しみや怒りを向けるだろう。

なぜなら、その犯人によって命を奪われた人々は、もう二度と帰ってこないからだ。そんな被害者や遺族のことを思えば、犯人を簡単に擁護することなどできないだろう。

しかし、怒りや憎しみといった感情だけでは、「大量殺人」という問題そのものを解決することはできない。

なぜ大量殺人は起きてしまうのか?

犯人はなぜ、そのような行動に至ったのか。そこにはどのような心理や社会的背景があったのか。そして、こうした事件を未然に防ぐことはできないのか。

私はその本質や背景について知りたいと思った。

そこで今回は、大量殺人についての研究や資料、実際に起きた事件などを調べながら、犯罪心理学の視点を交え、私自身が考えたことを記事にしていこうと思う。

大量殺人とは?

調べてみると、大量殺人(Mass Murder)とは、一つの事件、あるいは比較的短い時間の中で、複数の人が殺害される事件を指す言葉として使われています。

ただし、「何人以上の犠牲者が出れば大量殺人なのか」という定義は、国や研究機関、研究者によって必ずしも統一されているわけではありません。

また、大量殺人と似た言葉として「連続殺人(Serial Murder)」がありますが、この二つには違いがあります。

連続殺人では、犯人が異なる時期・機会に殺人を繰り返します。一方、大量殺人では、一つの事件の中で短時間に複数の犠牲者が出ることが特徴として挙げられます。

ニュースなどでは「大量殺人」「銃乱射事件」「連続殺人」といった言葉を目にすることがありますが、犯罪心理学について考えていくうえでは、まずこれらを区別することが重要だと思います。

そして僕が特に知りたいのは、**「なぜ一人の人間が、一度に多くの人を殺害するという行動にまで至ってしまうのか?」**ということです。

大量殺人犯にはどのような心理・背景があるのか?

注意: 以下で紹介する特徴や分類は、その状況や環境に置かれている人が大量殺人を起こすと断定するものではありません。あくまで、過去の事件や犯罪心理学の研究などで指摘されてきた傾向・分類を紹介するものです。また、一つの要因だけで大量殺人が起こるわけではなく、複数の要因が複雑に関係している場合があります。

そして最後に

これらの特徴に当てはまる人の大多数が、暴力や大量殺人に至るわけではありません。

一つ目が、**「不満タイプ」**である。

自分が置かれている環境や社会、あるいは特定の人物に対して強い不満や憎しみを抱き、それが積み重なった結果、犯行に及んでしまうタイプだ。

この場合、本人が恨みを抱いている学校や職場、家族など、身近な人々が標的となる場合がある。

二つ目が、**「イデオロギータイプ」**である。

政治的・宗教的・社会的な思想などを動機として、多くの人を殺害するケースだ。テロ行為として行われる大量殺人なども、このような思想的動機と関連する場合がある。

三つ目が、**「門弟タイプ」**である。

これは、自分が強く信奉している指導者などから影響を受け、その指示や思想に従って犯行に加わるケースを指す。

そして四つ目が、精神症状が犯行に大きく関係していたケースである。

一部の事件では、深刻な妄想などの精神症状が犯行時の判断や行動に影響していたとされることがある。

ただし、ここで注意しなければならないのは、精神疾患のある人が大量殺人を起こしやすいという意味ではないことだ。大量殺人の原因を精神疾患だけで説明することはできず、さまざまな要因を個別に考える必要がある。

以上のように、大量殺人と一言でいっても、その背景や動機は同じではない。

むしろ僕がここから考えてみたいのは、こうした異なるタイプの人々が、なぜ最終的に「多くの人を殺す」という同じ行動にまでたどり着いてしまうのかということである。

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大量殺人に共通するものはあるのか?

ここまで大量殺人犯にはいくつかのタイプがあることを紹介した。しかし、ここで私は一つの疑問を持った。

「動機や背景がそれぞれ違うのであれば、大量殺人を起こした人たちに何か共通するものはあるのだろうか?」

もちろん、大量殺人を起こす人間すべてに当てはまる性格や特徴が存在するわけではない。

しかし、過去の事件や研究を調べていくと、犯行に至るまでの過程には、強い不満や恨み、孤立、人生における危機や挫折など、いくつか繰り返し現れる要素が指摘されている。

では、こうした要素がどのように重なり、一人の人間を大量殺人という極端な行動にまで向かわせてしまうのだろうか。

参考資料

今回参考にしているNIJの研究ページ

Public Mass Shootings: Database Amasses Details of a Half Century of U.S. Mass Shootings with Firearms, Generating Psychosocial Histories
Persons who committed public mass shootings in the U.S. over the last half century were commonly troubled by personal tr…

ここまで大量殺人犯にはいくつかのタイプがあることを紹介した。しかし、ここで私は一つの疑問を持った。

「動機や背景がそれぞれ違うのであれば、大量殺人を起こした人たちに何か共通するものはあるのだろうか?」

もちろん、大量殺人を起こす人すべてに当てはまる性格や特徴が存在するわけではない。

しかし、過去の事件や研究を調べていくと、犯行に至るまでの過程には、いくつか繰り返し見られる要素があることが分かっている。

NIJが支援した米国の大量銃撃事件に関する研究では、80%以上の犯人が事件前に何らかの危機的状態にあったと報告されている。ここでいう「危機」とは、人生上の出来事や現在の状況に対処することが難しくなり、行動や精神状態に大きな変化が現れている状態を指している。

また、研究では、幼少期の深刻なトラウマ、強い不満や恨み、人生上の危機、過去の大量殺人犯への関心などが、一部の事件で確認されている。研究者への聞き取りでは、「トラウマ」「明確な不満や危機」「過去の事件からの影響」「犯行を実行できる機会」といった要素も共通テーマとして挙げられている。

さらに注目したいのが、犯行前に周囲へ何らかの形で考えや計画を漏らしていたケースである。

NIJのデータでは、約48%の犯人が事件前に家族、友人、同僚、あるいはインターネット上などで計画を漏らしていたとされている。こうした行動は「leakage(漏洩)」と呼ばれ、事件を未然に防ぐための重要な手がかりになる可能性がある。

一方で、これらの特徴だけを見て「この人は大量殺人を起こす」と判断することはできない。

孤立している人、強い不満を抱えている人、人生に挫折した人の大多数は、当然ながら大量殺人を起こさない。

研究でも、大量殺人は一つの原因だけで起きるのではなく、個人的な問題、社会的な要因、不満や思想、危機状態、そして犯行を実行できる機会など、複数の要因が重なった結果として起きる場合があると考えられている。115人の単独大量殺人犯を分析した研究でも、個人的・政治的・社会的な要因が複雑に重なることが指摘されている。

最後に

今回、大量殺人について犯罪心理学の視点から調べてみた。

調べる前の私は、大量殺人を起こす人間には、何か共通した特殊な性格や考え方があるのではないかと思っていた。しかし、実際に調べてみると、そこまで単純な問題ではないことが分かった。

大量殺人に至る背景には、不満や恨み、思想、人生における危機など、さまざまな要因が存在する。そして、それらのうち一つだけが原因になるのではなく、複数の要因が複雑に重なっている場合もある。

これ以上、大量殺人を増やさないためにも、事件を起こした犯人には、その行動に至らせた何らかの要因があるということを考える必要があると思う。

もちろん、それを理解することは、犯人の行為を擁護することではない。

だからこそ、なぜそのような事件が起きてしまったのか、その背景に何があったのかを注視し、考え続けることが重要なのではないだろうか。

そして、事件が起きてから犯人を非難するだけではなく、人々が抱える孤立や苦しみ、社会の中に存在する問題にも目を向け、より多くの人が暮らしやすい社会を目指していくことが、こうした事件を防ぐための一歩になるのではないかと、今回調べてみて感じた。

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